リンチ地獄、大阪市立桜宮高校殺人事件!

昨年の12月23日、一人の高校生が自殺した事に端を発し、或る高校の大きな闇が暴かれた。
大阪市立桜宮高等学校は同校の教諭、小村基によるリンチ(私的制裁)殺人を肯定する見解を示した。


インタビューで学校側は小村教諭の「熱血指導」として暴行事案の質問をかわした。
元々、体育会には暴力が付き物だったが、今回の異常な暴力行為の報道は全国のお茶の間を恐怖のどん底に突き落としている。
保護者が大切なわが子の学校生活を心配するのは至極当然だろう。
もしわが子も学校でこの事件と同じ目にあっていたら…。
生徒が死亡したのはクリスマスイブの前日である。普通の少年なら浮かれる時期でもあろう。しかし、生徒は死を選んだ。
よほど陰惨な暴力が行われていたのは想像に難くない。

報道以来、インターネット上では保護者の視点での激しい教育議論が展開されている。
一部に例外はあるものの、「そもそも教育に暴力は要らない」、「執拗に攻撃する意図が不明」、「純然たる犯罪」、「自殺というより殺人といったほうが正しい」など暴力による教育には否定的な意見が相次いだ。
また、保護者だけでなく、体育会の慢性的な暴力体質についての議論はスポーツ界全体まで波及。
プロ野球読売ジャイアンツで活躍した桑田真澄氏はNHKのインタビューに対し、「暴力は指導者の勉強不足」、「体罰では決して強くならない」として自らのスポーツ経験を踏まえた上での意見を述べた。

しかし、学校側の対応は不誠実だ。これに対しても不満を露にする者は多い。
事件後、桜宮学校で説明会が開かれたが、桜宮高校の無責任な説明は保護者の怒りにさらに油を注いだ。
教育委員会には説明していない」、「暴行ではなく、熱血指導」、「まったく問題はない」、「死んだ生徒に問題がある」など学校側の呆れた見解が明らかにされている。
また、これほどの問題を起こしておきながら「教育現場を無用に混乱させるのは避けたい」として警察権の介入を拒否。
しかし、教育現場というよりは事件現場というのが正しいのではないだろうか。


この問題を受け、大阪市長橋下徹氏は緊急に1000万円程度の予算をつけ、100人体制の対処チームの編成を発表。
また、遺族宅を訪問し、説明と謝罪、行政の責任を認めた。また、実態の解明を急ぐ旨も明らかにしている。

さすがにこの件には敏腕、橋下市長も苦虫を噛み潰した表情。
橋下市長は自殺の教諭の暴行には因果関係があるとし、「体育会は場合によって閉鎖的な異常空間になるのを、もっと認識して考えないといけない」と述べている。