2011年版大学世界ランキング発表

今月6日、英国高等教育専門誌「Times Higher Education」で、毎年恒例の世界大学ランキングが発表された。
このランキングは学習環境、研究成果、論文引用数、イノベーション、国際性などで測られた総合的なデータによるランキングであり、よくある単なるブランドや入学難易度で測られるランキングよりも将来性を見通す指標として優れている。
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これまで長年に渡り世界ランキングトップであったハーバード大学は2位となり、1位はカリフォルニア工科大学に譲った。
また、東京大学は今回のランキングで30位にランクインし、一応はアジアナンバーワンということになった。
その他にも国内大学では京大、東工大、阪大、東北大が前回よりも順位を上げている。

しかし、今回のランクアップは日本国内の研究レベルが上がったというよりも他のアジア圏のレベルが下がっているためであり、国内の大学レベルは決して手放しで評価できない。
特に今年のノーベル賞で受賞者を出せなかったのはうまくない。
国内で最もノーベル賞の可能性が高かったiPS細胞の山中氏(京大)が受賞できず、私大初のノーベル賞受賞として期待されていた村上春樹氏(早稲田)も受賞を逃した。
世界で張り合える実力のある大学は残念ながらまだ日本にはない。
それゆえ学術的に魅力のない国となってしまっているのである。
技術大国という称号も擦れてきている現在日本だが、まだ復権の望みはある。
技術と学術の融合こそ、世界で求められている「強い知識」である。
強い存在感を持つ技術大国日本であり続けるためにも強い知識を持つ国でなくてはならない。そのためには国の主要研究機関である大学にダイナミズムを呼び起こすことは必須条件である。
国内大学の課題はまだまだ山積みなのだ。