東洋大学卒、婚活ババアのパーフェクト殺人教室

無縁社会」が叫ばれて久しい。
豊穣の時代であるだけでなく、男女差別も存在しない。そんな世の中であるが、不思議と「出会いがない」と感じる男女は多いようである。
そんななか、「婚活」が注目を浴び、いまや社会現象と呼べるまでになりつつある。

そんな婚活市場で3年前、大事件が起きた。
東洋大学卒の無職37歳、木嶋佳苗女史が、東京・千葉・埼玉で交際相手の男性3人を、いずれも練炭自殺に見せかけて殺害したとされる。

この事件の裁判員裁判は、今年1月10日からさいたま地裁で行われている。

殺人事件以外でも、木嶋佳苗容疑者の来歴が大きく注目をされている。
木嶋佳苗容疑者は平成5年に18歳で北海道から上京すると、翌年から6年間ほど20人近くの男性と「愛人契約」を結んだほか、デートクラブでも男性と交際し、月に150万円以上も貢がせて豪遊。
また、ヤりたい盛りの若者だけでなく、60代男性から1億円かっさらうという大型エピソードも飛び出した。
木嶋佳苗容疑者はデパートや高級スーパーで買い物をしまくり、ブランド品の購入、エステであふれる大金を毎月使い切っていたという。
これだけ聞くと「どれほどの美人が男達を誑(たぶら)かしたのか」と思ってしまうが、本人のご尊顔は写真の通りである。

この事件は発覚当初から「なぜ、あのルックス(ブス)で複数の男を手玉にとれたのか?」と世の人々を不思議がらせた稀代の婚活ミステリーとして有名だった。
最近の裁判のなかで発覚したその手口の一つは「安売り」である。
木嶋佳苗容疑者によれば「男女のことですので一つ伝えておきたいことは肉体関係のことです。私は、お互い好意があるなら、長く交際しなくても、早い時間にそうなることは不自然ではないと考えています…」と、暗に“即生ハメ可能”だと誘うのだという。
実際にこの手口で、練炭自殺に見せかけて殺されたとされる被害者に対しては、連絡を取り始めて10日と経たない時期に「ラブホテルにご一緒してもいいですよ」「いつ子供を授かっても構わないと思いました。もちろん避妊しなくてもいい」と中出しまで許可。
ブスといえ「女のカラダ」は有効ということなのだろうか。

また、第二の手口は「学歴詐称」である。
木嶋佳苗容疑者は東洋大学のOGであるが、交際男性に対しては常に「フェリス女学院大学卒」と詐称していたという。
たしかに男性は「お嬢様」という一種お堅い、手の届きにくい存在に対し憧れを抱きがちである。
東洋大学」というブランドのない大学よりは「フェリス女学院大学」という大学ブランドを騙り、男の関心を引こうという「小ワザ」である。
この事件は実際に学歴詐称が婚活に効果的であったことを示す資料として重宝するだろう。

婚活は第一印象が命。「即ハメ」と「フェリス」、2つの武器で木嶋佳苗容疑者は成功を掴んだということになる。
今後、成功を夢見る婚活女性たちからは大いに参考になる「前例者」と呼ばれる存在になるかもしれない。

一方、殺害事件に関しては木嶋佳苗容疑者は一貫して「していません」と述べ、無罪を主張している。